食に対するマナーと感謝~曽祖父からの教え~part2

前回は、挨拶や周りの環境に対する感謝について、書きました。

前回の記事をご覧になっていない方は、こちら👇

今回は、人が生きていく上で必要な食について書きたいと思います。


みなさんは、日本食のマナーや作法等についてどのぐらい知っていますか?

学校での食育などが言われ始めて10年以上経過していますが、はたしてどのくらい改善されたのでしょうか。


私の曽祖父は、戦前生まれで大学卒業後、海軍予科練に行っている時に、長崎の原爆をみて終戦を迎え、その後、魚屋さんを数十年営んでいた為、とても食に関しても厳しい方でした。

魚の食べ方が少しでも悪いと、『よく見てみろ。わしだったら、残った魚の身で茶碗1杯、ご飯が食べれるわ』と常々、言っている様な人でした。


おかげさまで、今まで、食事の作法であまり怒られた事は言われた事はありませんでした。


そこで、今回は曽祖父から教わった日本料理(和食)の知識とマナーについてその1部を紹介したいと思います。


➀日本料理には3つの形式がある
日本料理には「本膳料理」「会席料理」「懐石料理」の3つの形式に分けられます。
<本膳料理>
本膳料理は室町時代に武家の作法から確立され、日本料理のなかで最も伝統的かつ格式が高い料理。器の並べ方から食べる順序に至るまで、細かい作法が決められている。現在では見かける機会は少なく、冠婚葬祭の儀礼的な場でわずかに残る程度のため、一般的にあまりなじみがない。


<会席料理>
旅館、料亭、結婚披露宴などでお酒と一緒にいただく料理で、現在の日本料理の主流といえるでしょう。お酒を楽しむことが前提のため、前菜、煮物、刺身、焼き物の順で供され、飯や汁などは最後に出されるのが特徴。


<懐石料理>
茶会の席でお茶を頂く前にもてなされる食事のことで、一汁三菜を基本としています。お酒を楽しむ会席料理とは異なり、飯や汁から供されることが特徴。同音の「会席料理」と区別するため「茶懐石」と呼ばれることもあります。

②.日本料理の配膳にはルールがある
日本料理の基本的な配膳といえば「一汁三菜」。主菜が一品、副菜が二品、汁物が一品で構成されたバランスの良い配膳。この一汁三菜の置き方が日本料理の配膳の基本。

<手前左にごはん、手前右に汁物>
家族や親族から「お箸は右手・お茶碗は左手」と教わったと思います。お膳のポイントはシンプルに「右手でお箸を持った時に食べやすい並べ方かどうか」と考えましょう。左に持つお茶碗(ごはん)は左、その対になる汁物は右に置くと考えると覚えやすいですよ。ごはんを左に置く理由には諸説ある。
ちなみにごはんと汁物を左右逆に配置すると、仏壇へのお供えを意味する。


<おかずは奥>
おかず類はすべて奥に置く。右奥に主菜、左奥に副菜、中奥に副々菜を並べるのが正しい配膳。右で箸を持つことを前提として、何度も箸を運ぶ主菜が右奥にあれば、右手を動かしやすいうえ、右手前の汁物をひっかけてこぼす心配が少ない。また、小鉢のおかずは持ち上げてよいので、左側に置いても特に問題はない。なお、お漬物は三菜に含まれないので、ご飯と汁物のあいだに配置する。

③箸に関する5つのマナー
みなさんは、箸に関する5つのマナー箸を正しく持てますか?箸使いを普段の生活で意識していますか?
箸を正しく持つことで箸使いも自然と美しくなり、それだけでマナーや教養がきちんとそなわった人という印象を持ってもらえる。普段から意識しないとできない。

④箸の扱い方
<割りばし>
割り箸を割るときのポイントは、なるべく音を立てず静かに割る。箸を横にして上下に割るのがマナー。テーブルの上で割ると食器などに当たる恐れがあるので、ひざの上あたりで割る。よく見かける動作ではありますが、箸を縦にしてテーブルの上で左右に割ったり、割り箸の木屑をこすって落としたりすることは、マナー違反。割り箸の木屑が気になるなら手で取るようにするとよい。


<箸袋に入った箸>
箸袋入り+箸置きがある場合…

箸を出したあと、箸袋は食事の邪魔にならないテーブルの上に置いておく。

箸袋入り+箸置きがない場合…
箸袋を箸置きとして使用する。箸袋は結び文折りや山型折りにして箸置きにする。


<巻紙で止められている箸>
 箸袋の代わりに箸を巻紙で留めてあるときは、以下の手順で巻紙を外す。
 1.右手で箸を取り上げる
 2.左手で帯を持ち、左に向かってすべらせながらはずす
 3.巻紙は破れない様に注意。箸置きがない場合は、巻紙を箸置きとして使うことは良い。

⑤食事のあとのお箸のしまい方
<箸置きがある場合>
箸先をそろえて、箸置きに置く。

<箸置きがない+箸袋がある場合>
使い終わった箸は箸袋に戻す。その時、箸袋の先を下側に折り、使い終わったことがわかるようにする。

<箸袋を結ぶ、もしくは山型折りにして箸置きにしていた場合>
使用済みの割り箸の先を結び目の先に入れ隠すか、箸袋を広げてから中に箸を戻す様にする。

<箸置きも箸袋もない場合>
器の手前あたりに箸を揃えて置くか、箸先をお皿のふちに立てかける。

⑥本当は正しくない箸使い
箸は使い方によっては、周囲の人に不快な思いをさせてしまうことがある。
そうした箸使いはマナー違反。普段、自分の箸使いを意識することは少ないが、何気なくしていた箸使いがマナー違反だったりするため、日頃からの癖をつけることが必要。

・箸渡し

⇒食べ物を箸から箸へ渡すこと。火葬場のお骨拾いと同じ動作なので縁起が悪い。


・たて箸

⇒ご飯に箸を突きたてること。仏事を連想させるので縁起が悪い。


・にぎり箸

⇒箸を握りしめるように持つこと。


・空箸

⇒料理に箸をつけたものの、食べずに戻すこと。

・刺し箸

⇒料理に箸をつき刺して食べること。

・迷い箸

⇒どの料理を食べようか迷い、箸先をあちこち動かすこと。

・ねぶり箸

⇒箸先についたものをなめること。

・涙箸

⇒料理の汁をたらしながら口に運ぶこと。

・指し箸

⇒箸を使って人を指すこと。

・寄せ箸

⇒箸で器を引き寄せること。


⑦和食器に関する3つのマナー
和食器に関する3つのマナー日本ではお茶碗など一部の食器は手にもって食べます。日本独特の文化なのです。

(持ち上げてよい器と持ち上げない器がある)
目安としては、手のひらに収まるかどうか。手ののひらより小さければ持ち上げ、大きければ持ちあげずにいただく。

(持ち上げてよい器)
茶碗、汁椀、小鉢、小皿、一人用のお重、どんぶり(重いもの、熱くて持てないものなどは無理に持ち上げなくてよい)、醤油皿、小鉢、小皿など

(持ち上げない器)
魚や焼き物の平皿、てんぷらの盛り皿、大きなお椀、数人盛りの大きな鉢、大きなお重、麺類のどんぶり

器を持ち上げないとき、手皿(左手を受け皿のように食べること)をする方は意外と多いですが、実はこれはマナー違反。もし、汁が垂れたり、料理を落としたりすることが心配な場合は、小さな取り皿に移してから持ち上げて食べるか、懐紙やナプキンを受け皿代わりにする良い。

⑧持ち上げるときは両手でやさしく丁寧に
日本料理で使われる食器類は、繊細で高価なものも多いので、持ち上げるときは、傷つけないよう丁寧に扱うことがマナー。器を持つときは、お箸はいったん置き、右側にある器は右手で、左側もある器は左手で胸あたりまで引き寄せます。そして両手を使って包むようにして持ち上げる。

⑨食事のあと、器は元の位置のままでよい
お店での食事が終わったあと器を重ねる人がいるが、その必要はない。


曽祖父はとても厳しくされましたが、そこには、愛があったと思います。


私の母である、弊社代表曰く、私の時より昔はもっと厳しかったとのこと。


おかげで私の母(弊社代表)は、魚が捌けます。(笑)。


曽祖父からは学校や仕事では身につけることのできない、作法であったり、山や海で遭難した時に助かる方法などたくさんの事を教えていただきました。

残念ながら数年前に亡くなってしまいましたが、教えてもらって本当に良かったと思っています。

将来的には、グループホームの入居されている方にも、魚の捌き方など曽祖父から教えてもらったことを伝えることが出来れば良いな。っと思っています。



株式会社あげっと

宮崎県延岡市にて、障がい者相談支援事業(ばらの花束)と共同生活援助事業(シェアハウス蕾)を運営しています。ばらの花束は、障がいのある方が福祉サービスを利用する時に本人又は家族の意向を尊重し計画を作成します。シェアハウス蕾は、障がい者が自立する事を目的に地域で生活する方のために、新設された障がい者のグループホーム(外部サービス型共同生活援助)です。また障がい者の地域移行、地域生活も支援しています。

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